子供がそのまま大人になったような性格で、善悪の区別がつかず、すぐに癇癪を起し、
ケンカや人殺しもいとわない人物として描かれています。
虎4匹を朴刀で斬り殺してしまうほどの腕力と強靭な肉体、戦闘能力を持ち、
人を殺すことを何とも思わないというその性格と無邪気さ、そんな能力を持っている李逵は巨大な手斧二本を両手で持ち、
自慢の怪力で敵をなぎ倒していくという戦闘スタイルをとっています。
それこそが二丁板斧であり、李逵自身最大の武器でした。
李逵のその粗暴な性格と怪力、武芸が相まって、その戦闘能力は抜群です。
特に集団戦において猛威を振るっていました。李逵自身の能力を最大限に生かした戦法として確立していたようで、
二本の巨大な斧をブンブンと振り回し戦う姿、肌の色の黒さから李逵は黒旋風、または鉄牛という異名で呼ばれています。
ただ、李逵自身はこれといった武芸を会得していたわけではなく、
完全にその類まれな身体能力と戦闘センスによる戦い方のため、
李逵よりも熟達した武芸の達人や頭脳戦を得意とする格上の相手、純粋な一騎打ちなどに対しての勝率は決して高くはなく、
負けてしまうことも多かったようです。
二本の斧をブンブン振り回し力でねじ伏せる、典型的なパワーファイターだったみたいです。
李逵は沂州沂水県百丈村董店東の小作農の次男として生まれました。
喧嘩によって人を殺してしまい、村から逃げ出しました。それから江州の牢役人・戴宗のもとで自身も牢役人となります。
ある日、江州に流刑によって、水滸伝の主人公であり、最強の賊軍である「梁山泊」のメンバー・宋江が流れ着いてきます。
宋江を尊敬していた李逵は、宋江に引き合わせるよう戴宗にお願いし、李逵は宋江と運命的な出会いを果たします。
戴宗、李逵、宋江はとても仲良くなり、宋江は囚人でありながら出入自由という扱いを受けていました。
宋江のため、もてなしをしようと考えた李逵は戴宗、宋江を連れ、張り切って街に繰り出します。
ですが、博打で負けて暴れ、魚屋の店主ともめて溺死させられそうになったり、空回りばかりして宋江を困らせます。
それでも宋江は李逵を怒ることもせず、李逵を慰めていました。
この時、宋江は李逵にとってかけがえのない存在になっていたようです。
魚屋の店主とも和解し、店主、宋江、戴宗そして李逵の4人は宴会を開きます。
この時に酔っぱらった勢いで宋江が反逆に関する詩を居酒屋の壁にラクガキしてしまいます。
それを黄文炳という監察官に目撃されてしまいました。
宋江の詩を読んだ黄文炳はこれを密告し、宋江は反逆の罪を着せられ捕らえられます。
さらにはそれを助けようとした戴宗も捕らえられてしまいました。
2人に下された判決はなんと死刑。
その知らせを聞いた梁山泊のメンバーたちは、宋江を助けるべく刑場に乗り込み宋江を救出しようとします。
この時、偶然にも李逵も単身、刑場に乗り込んでおり、二本の巨大な斧で邪魔する民衆や役人たちを手当たり次第にバッサバッ
サとなぎ倒していきました。ついに二丁板斧(にちょうはんぷ)の登場です。
李逵、梁山泊メンバーたちの活躍により見事に宋江、戴宗の2人を救出し、李逵たちは刑場を後にします。
その後、李逵、戴宗は宋江の誘いにより梁山泊の一員になったのでした。
そうして、梁山泊の一員になった李逵は数々の戦いでめざましい活躍を見せていくのです。
ただの賊軍であった梁山泊が朝廷の許しを得て、ついに官軍に編入されたころ
李逵は歩兵隊長、特攻隊長的役割を担っていました。
特に仲の良かった鮑旭、項充、李袞と4人組を結成し、戦のたびにこの4人で戦っていました。
李逵と鮑旭が前線で手当たり次第に敵を切り倒し、項充と李袞が飛び道具や盾で援護するという陣形を戦ではとっており、
これが凄まじい戦闘能力を発揮し、戦のたびにめざましい活躍を見せていたのです。
梁山泊最大の戦となった方臘征伐戦後、この戦いに勝利し、都に帰っていました。
ですが、4人組の内、李逵以外のメンバーは戦死してしまい。李逵は悲しみます。
生き残った李逵は、武節将軍の称号と潤州の司令官に任命されました。
宋江と離れ任務を遂行していた李逵、ある日、楚州にいる宋江に李逵は呼び出されます。
久しぶりの再会に喜び急いで宋江の元へと向かう李逵。
宋江は李逵に酒をふるまいました。
朝廷から受け取った恩賞だと言うのです。しかし李逵が酒を飲んだ瞬間、宋江は泣き出し、李逵に謝りだします。
実はこの酒は梁山泊をよく思っていない悪臣たちによる謀策であり、水銀が盛られた毒酒だったのです。
酒を飲み、毒酒だと気づいた宋江は自分が悪臣たちに殺されたと知った時、
一番反乱を起こしそうな李逵を道連れにしようと考えたのです。朝廷や民衆に迷惑がかからないようと考えた結果でした。
この事実を聞いた李逵は涙を流し、「別にかまわねぇよ。兄貴が死んじまったら生きていたってしょうがねぇ。おれぁ死んでも
あんたの忠実な部下さ!」と返しました。
潤州へ帰ると宋江と同じ場所に埋葬するよう言い残し、静かに息を引き取りました。
最後の最後まで李逵そして二丁板斧は、宋江のために存在していた武器だったのです。
無属性
1988年に光栄(現コーエーテクモ)より発売された歴史シミュレーションゲーム
「水滸伝・天明の誓い」に李逵をはじめ、水滸伝に登場する人物たちが登場しています。
李逵の能力値は、・体力99・腕力95・忠義59・技量54・仁愛24・知力15・勇気100というかなり偏った能力値。
パワーファイターであった李逵を表したような能力値ですね。
沂州沂水県百丈村董店東出身の二丁の板斧が獲物の色黒の男。
とてつもない乱暴者だが、常に弱者の味方なので民衆化の人気は高い様子だそうです。
水滸伝を原作に描かれた横山光輝による漫画「水滸伝」
ほぼ原作に近い形で忠実に漫画として描かれています。
李逵は作中ずっと鉄牛と呼ばれており、
本名の紹介は初登場時の戴宗の紹介によるものと項充外伝での自ら名乗りで触れられるこの2か所のみである。
全身真っ黒で顔や体が人よりも一回り二回り大きい。
少年誌のため原作の残虐性はなく、
約束を破る、喧嘩っ早いなどトラブルメーカーな部分もあるが涙もろく腕がたつという愛嬌のあるキャラになっています。
作中ではアクションシーンやコメディリリーフとして目立った活躍を見せています。
登場ゲーム作品等
ゴットイーター3、グランブルーファンタジー、幻想水滸伝、黒い砂漠、ヴィーナス&ブレイド レイジングなど