「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」とは日本神話に登場する神が作ったとされる弓です。
また「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」と一緒に「天若日子-あめのわかひこ」に渡される矢が「天羽々矢-あめのはばや」で
す。
敵を貫いた後も地上から高天原まで飛んでいく威力があり、
狙ったところに放てば寸分狂わず飛んで行くと考えます。
邪な考えを持つものなどには必ず当たると考えます。(必殺必中)
天鹿児弓
天梔弓
出典には記述されているものはありませんでしたので、素材、作り方共に不明です。
しかし、神々が住まう高天原に育つ木々から作られたのではないかと考えます。
出典される資料には弓の記述と一緒に矢の記述もされていることから、
「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」が使える矢は「天羽々矢-あめのはばや」だと考えます。
天照大神が遣わした鳴女(なきめ)という雉(きじ)を「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」で撃ち殺した後「天羽々矢-あめのは
ばや」は、下界から高天原まで届く恐ろしい威力を持ちます。
「天若日子-あめのわかひこ」とは天津国玉神の子であり、日本神話に登場する神の一人。
葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定するために「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」と「天羽々矢-あめのはばや」を「高御
産巣日神-たかみむすび」より授かった後に下界に遣わされます。
「高御産巣日神-たかみむすび」とは「天若日子-あめのわかひこ」を葦原中国(あしはらのなかつくに)に遣わせた創造の神と記
述されています。
また「天若日子-あめのわかひこ」を殺したのも「高御産巣日神-たかみむすび」であります。子には「思金神-おもいかねのか
み」がいて、主に高天原の神々に指示を出していたのはこの「思金神-おもいかねのかみ」と言われています。
「鳴女-なきめ」とは思金神(おもいかねのかみ)によって「天若日子-あめのわかひこ」の真意を探らせるための雉(キジ)。
「天探女(あめのさぐめ)」にそそのかされた「天若日子-あめのわかひこ」によって撃ち殺されてしまいます。
「天探女(あめのさぐめ)」とは「天若日子-あめのわかひこ」に仕えているような形で登場する女神。
古事記では「天佐具売」とも表記されています。
また天邪鬼(あまのじゃく)のルーツとされる女神で、日本神話では珍しい悪女として描かれていることが多いです。
身分も明確な記述はされておらず、「天若日子-あめのわかひこ」と共に高天原から下界に降りた「天神」とする説と、葦原中国
(あしはらのなかつくに)にもともと居た「国神」とする説があります。
このようにあやふやな立ち位置も悪女としての二面性を表していると考えられます。
「下照姫-したてるひめ」とは日本神話に登場する神道の女神。「大国主神(おおくにぬし)」の娘。
葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定しに下界に遣わされた「天若日子-あめのわかひこ」と結婚した女神として記されてい
ます。
「葦原中国-あしはらのなかつくに」とは日本を指す言葉とされており、
「高天原」とは神々の住まう天上の場所とされています。
「天照大神-アマテラス」と「高御産巣日神-たかみむすび」は高天原に住まう神々に問いました。
「葦原中国(あしはらのなかつくに・日本)に派遣した「天菩比神-あめのほひ」が三年経つがいっこうに報告に来ない。
どの神なら上手くいくだろうか?」
すると思金神(おもいかねのかみ)が、「天若日子(あまわかひこ)なら上手くいくはずです!」と言いました。
その後、「高御産巣日神-たかみむすび」は「天若日子-あめのわかひこ」に「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」と「天羽々矢-あ
めのはばや」を渡して派遣させました。
「天若日子-あめのわかひこ」は葦原中国(あしはらのなかつくに)に着いた後、
すぐに「下照姫-したてるひめ」を娶る。そしてその国を自分のものにしようと企み、
八年経っても高天原に報告しませんでした。
高天原に住まう「天照大神-アマテラス」と「高御産巣日神-たかみむすび」はまた神々に問います。
「どの神なら天若日子(あめのわかひこ)に帰ってこない理由を聞き出せるか?」
すると「思金神-おもいかねのかみ」は、「雉の鳴女(なきめ)を派遣させましょう!」と神々に伝えます。
これを受けた「天照大神-アマテラス」は雉の鳴女(なきめ)に伝えます。「なぜ報告をしないのか?と問いただすのです。」
雉の鳴女(なきめ)は葦原中国(あしはらのなかつくに)に着き、天若日子(あめのわかひこ)がいる門の前にある、
湯津楓(かつら)の木に止まります。
そして天若日子(あめのわかひこ)達に天上の神々より聞いた言葉を伝えました。
その場にいた天探女(あめのさぐめ)は、「この鳥の鳴き声は不気味です。弓で殺してしまいましょう。」と天若日子(あめの
わかひこ)に言います。
それを聞いた天若日子(あめのわかひこ)はすぐに「高御産巣日神-たかみむすび」よりもらった「天之波士弓-あめのはじゆみ」
と「天之加久矢-あめのかくや」で雉の鳴女(なきめ)を殺してしまいます。
(ここで弓と矢の名前が変わっている詳細は不明)
天若日子(あめのわかひこ)が射った矢は雉の鳴女(なきめ)の胸を貫き飛んでいき、
そのまま高天原の「天照大神-アマテラス」と「高御産巣日神-たかみむすび」がいるところまで届きます。
「天之加久矢-あめのはじゆみ」を拾った「高御産巣日神-たかみむすび」は矢の羽のところに血が付いていることがわかりまし
た。
その後すぐにこの矢が天若日子(あめのわかひこ)に授けた矢だとわかり、神々にその矢を見せながら言いました。
「天若日子(あめのわかひこ)が賜った使命に背いておらず、
悪い神を討った矢であるならこの矢は天若日子(あめのわかひこ)に当たらない。
しかし、天若日子(あめのわかひこ)がよからぬ考え、心を持っている場合は、
矢が当たり天若日子(あめのわかひこ)は死ぬだろう。」
そして「高御産巣日神-たかみむすび」は矢が飛んできたところに再び矢を投げ返しました。
天若日子(あめのわかひこ)は次の日の朝、寝ていたところを突き刺されて死んでしまいました。
そして遣いに出した雉の鳴女(なきめ)が返っていませんでした。
ことわざに「キジのひた使い」というものがあります。起源はこのお話とされているそうです。
天若日子(あめのわかひこ)の死を知った「下照姫-したてるひめ」は大変悲しみます。
その下照姫(したてるひめ)が泣く声が高天原まで届き、
天若日子(あめのわかひこ)の父親「天津国玉神-てんつこくたまかみ」とその妻子が地上に降り立ち、
一緒に悲しみを分かち合いました。
「高御産巣日神-たかみむすび」が投げ返したシーンで生まれた俗信に「返し矢」というものがあります。
飛んできた矢を打ち返すと持ち主に必ず命中するといわれ、
壇ノ浦の戦いでは矢を打ち返す行為がたびたび行なわれたという文献が残っています。
聖属性
アニメでの登場は確認できず、ゲームでの登場は確認できています。
ビデオゲーム「戦国無双」では稲姫、真田丸が使うレア武器として登場しております。
アプリゲーム「クラッシュフィーバー」にて4周年記念ユニットで登場しており、
「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」を持つキャラクターは
もしかしたら天探女-あめのさぐめ(天邪鬼-あまのじゃく)かもしれないと思わせる悪女テイストなキャラデザインになっていま
す。
下記のようなドラマやアニメで使用されています。
無双シリーズを手掛けてきた開発チームが作る「討鬼伝 極」にて「天之麻迦古弓-あめのまかこゆみ」が登場します。
ミタマ合成で作ることも可能だそうです。