アダマスの鎌は実際には誰か特定の人物の専用武器として作られたわけではないらしく、
あくまでアダマスの鎌を持った代表的な人物がクロノスであったという話なようです。
そのため、実はクロノスが使ったという話以外にも巨人「アルゴス」を「ヘルメース」が暗殺した際に使われた
「ハルパー」という湾曲した剣様の武器も、
「メデューサ」を倒したときに使われた勇者「ペルセウス」が使ったハルパーも全て同一のアダマスの鎌
であるとする資料も存在します。
アダマスの鎌はその圧倒的な強度の他にも、特殊能力が備わっています。
それは対象が節の神や不死の怪物であってもその不死性を打ち破って討ち滅ぼすことができるというものです。
また、アダマスの鎌にはその強度と不死者を討ち滅ぼす能力からかあらゆるものを切断する能力があるとも言われています。
このようにあらゆるものを殺傷せしめる能力を持ったアダマスの鎌を使用してクロノスはティターン神族を率いてオリュンポス
の神々と大きな戦争を行ったりもしました。
では実際にアダマスの鎌はどのように使用されたのでしょうか。
今回はアダマスの鎌が生み出された経緯とその行き先に関しての話をご紹介いたします。
アダマスの鎌の誕生はそもそもがギリシャ神話の主神がゼウスではなかった頃までさかのぼります。
その頃のギリシャ神話の主神は天空の神「ウラノス」であり、
そのウラノスが大地の女神「ガイア」と交わって次の世代の神を生み出そうとしていました。
ウラノスとガイアが交わって最初に生まれたのは巨人族「ティターン」の12神でした。
この12神の中にアダマスの鎌の主な所有者である「クロノス」も含まれています。
しかしこのティターン12神は外見が醜かったためにウラノスはティターン12神をひどく嫌いました。
そのためティターン12神を地の底の奈落であり神でもある「タルタロス」という場所に投げ落として幽閉してしまいます。
自らの子供をタルタロスに投げ落とされ、それに激怒したガイアは自らの体内にて生成した非常に頑強な金属
「アダマス」を使ってオリュンポス12神の一柱であり、鍛冶の神でもある「ヘーパイストス」に鎌を作るように命じます。
そして生み出されたのが「アダマスの鎌」というわけです。
ガイアはこのアダマスの鎌をタルタロスに落とされたティターン12神の手に渡し、
このアダマスの鎌を用いてタルタロスに落とされたことをウラノスに復讐するように言います。
そこでクロノスを始めとするティターンたちは復讐する機会を伺い、
ウラノスがガイアと交わるために覆いかぶさろうとしたところを狙うことにしました。
ウラノスがガイアに覆いかぶさろうとした瞬間にティターンたちはウラノスを押さえつけ、
交わるために露出していた男性器をガイアより与えられたアダマスの鎌で切断し、
ウラノスを去勢してしまいます。このことが契機となってウラノスは最高神の地位を追われてしまい、
ティターンたちは見事復讐を成し遂げるのでした。
その後ウラノスの男性器を切り落とした張本人であるクロノスは最高神の地位を手に入れますが、
予言で自らの子供に地位を追われるとされたために子供が生まれるたびに飲み込むという悪行を働きます。
その悪行を裁かれる形で自らの子供であるゼウスに敗北し、
手元にあったアダマスの鎌と最高神の地位を予言通りに追われてしまうのでした。
主神の座がゼウスに移って以降はゼウスがアダマスの鎌を持っていたようですが、
その後に紆余曲折あってアダマスの鎌はヘルメースに渡ったり、ペルセウスに渡ったりと活躍していたようです。
聖属性
このように圧倒的な切れ味と強度を誇る鎌として描かれるアダマスの鎌ですが、
この武器は現代のゲームやアニメでどのように扱われているのでしょうか。実際にゲームやアニメを挙げて見てみましょう。
最初は株式会社グリモアが運営するスマートフォン向けRPG「ブレイブソード×ブレイズソウル」から「アダマス」です。
このアダマスは武器の種別が大鎌として設定されています。
また、キャラクターのフレーバーテキストには「神々を去勢した」ともあり、原点に即した設定と言えるでしょう。
次は株式会社アトラスが発売したRPG「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」より
ボスキャラクター「魔神ゼウス」が使用する使用スキル「アダマスの鎌」です。
魔神ゼウスの右腕にはアダマスの鎌を模したと思われる鎌のような刃が備わっています。
スキルの効果は単体に対して大ダメージを与えるというものです。
最後はGREE運営のスマートフォン向けRPG「神姫覚醒ブレイドブレイブ」より「アダマスの鎌」です。
桃色の髪を持ち、大鎌を持つ女性の姿で登場しています。