バルムンクとは？登場神話、持ち主や武器にまつわる伝説・逸話を紹介|GOD WEAPONS-伝説武具擬人化図鑑-

- バルムンクとは -

北欧神話 北ヨーロッパのウォルスンガ・サガ（伝説物語）ではシゲイルとシグムンドの双子の妹シグニューとの結婚の饗宴にオーディンが人間の中から自らの 財宝の後継者を選定すべく変装した姿で剣を携えて現れる。

そして巨木に剣を突き刺し「これを引き抜くことができた者にこの剣を授ける」と言い、何人もの村人が挑戦したが、グラムを引き抜けたのはシグムンドだけだった。かくしてグラムを手に入れたシグムンドはその後数々の戦に勝利するが、とある戦いで伝説の槍グングニルにグラムを折られてしまう。

『ニーベルンゲンの歌』ので登場するバルムンク 刀身にはルーン文字が刻まれ幅広で黄金の柄には青い宝玉が埋め込まれた剣、鞘は金色の打紐で巻き上げた宝剣。 本来は小人のニーベルンゲン一族が所有していた剣だったが、一族を征服し莫大な財宝と魔法の隠れ蓑タルンカッペ、そして名剣バルムンクを入手した。

その後、ジークフリートの愛剣として、数々の軍功を挙げ、竜をも退治する勇敢な王子として賞賛された。

その後ジークフリードはブルグント国の王の妹で美しいことで評判の姫クリエムヒルトを妻に迎えたいとブルグント国に出向きブルグント軍に加わって多くの手柄を立てた。この功績を認めたグンター王は自身がアイスランドの女王ブリュンヒルトを妻にすることに協力をしてくれたらその見返りとしてクリエムヒルトをジークフリートに妻にさせるという相談を持ち掛ける。ブリュンヒルトとの結婚には、ブリュンヒルトを競技で負かさなければならず、負けたものは殺されるというまさに命がけの求婚だった。ジークフリートは魔法の隠れ蓑でグンターに協力し、プリュンヒルトを倒すことに成功したことでブリュンヒルトはグンターとの結婚を承諾する。ジークフリートもまた約束通りクリエムヒルトと結婚した。 数年後、ネーデルラントからブルグントに里帰りしたクリエムヒルトはブリュンヒルトと夫自慢の話になった際に言い合いになってしまう。 感情的になったクリエムヒルトは、婚礼の次の夜、寝室でブリュンヒルトを押さえつけたのはグンターではなくジークフリートであったことを公の場でばらしてしまう。

今まで欺かれていたことを知ったブリュンヒルトは自室に逃げ帰り、屈辱の涙を流した。

ことの顛末を知ったブルグントの騎士団は憤激し重臣ハーゲンは、ブリュンヒルトとグンター王と共にジークフリートへの暗殺を計画する。ハゲネはジークフリートが竜の血を浴び不死身となっていたことを知っていたため妻のクリエムヒルトに彼の唯一不死身でない場所を言葉巧みに聞き出し弱点を知る。

そしてハーゲンはジークフリートをおびき出し、隙を見てジークフリートの背中を槍で貫き暗殺した。

ジークフリートが暗殺された後、ハーゲンはニーベルンゲン一族を征服して得た莫大な財宝はクリエムヒルトに渡さぬようにライン川に沈めるが、バルムンクだけはとっておき、自分の剣とした。 その後、ハーゲンを捕らえたクリームヒルトは、バルムンクでハーゲンの首を刎ね、夫の復讐を果たした。

ニーベリングの指輪ではニーベルンゲンの歌に出てくる設定などはほぼ同じで登場人物の名称が違っているだけで内容はほぼ同一で剣の名称もノートゥングという名称に変わるだけで逸話はほぼ同一である。