「金の弓箭」とは出雲国風土記(いずものくにふどき)という神話に記述されるエピソードの一つに登場する架空の武器です。
出雲国風土記(いずものくにふどき)とは『国引き神話』をはじめとして出雲に伝わる神話を記載されたもので、
現存する風土記の中で一番揃っている書跡です。
太陽の一矢
光り輝く矢を放ちどんな物質でも貫く。
ゲーム「三千界のアバター」では、不浄の者には触れることも出来ず、
清浄な霊力を持つ高位の巫女しか扱うことが出来ないと記されていることから、
不浄の者は目にするだけでもつらいものだと考えます。
そしてクエストでの効果は「無属性の強力な魔法攻撃ダメージを与える」と記されています。
太陽の弓箭
佐太大神の弓箭
素材・作り方どちらも不明です。
「金の弓箭(くがねのきゅうせん)」が流れて出てくる前の弓は角製でした。
丹塗(にぬり)のことを金で表現していたとされる説もあり、丹塗(にぬり)の仕様だったかもしれません。
丹塗(にぬり)とは鳥居でおなじみの朱色で塗ることをいいます。
出雲国風土記(いずものくにふどき)の中にある加賀の潜戸でのエピソードで「金の弓箭」にまつわる記述がされています。
加賀の潜戸(くげど)は島根県松江市にある、日本海に面した海岸景勝地です。
潜戸(くげど)とは洞窟のことであり、加賀とは集落のことを指しています。
そして加賀の潜戸(くげど)は海岸景勝地にある佐太神社に祭られている出雲の四大神の一人、
佐太の大神(神社では猿田彦)が生まれになったところです。
加賀の潜戸が出来た神話的理由が「キサガイヒメ(母神)」が矢で射貫いて出来た洞窟(潜戸・くげど)と言われています。
その大きさは、東西約200m、水深8mにもなる洞窟(潜戸・くげど)。
射たてた「金の弓箭」は500mも隔てた的島すら貫通したと言われています。
この洞窟(潜戸)はとても広く、4月~10月にかけて波が穏やかな日は観光遊覧船で深勝が出来ます。グラスボートの為、
海の中も船のそこから見えるので洞窟(潜戸・くげど)の中と外を楽しめます。
神話では「金の弓箭」で射貫いて出来たとされる加賀の潜戸(くげど)は、長い年月をかけて、
断層や浸食により出来た珍しい洞窟であり、
大山隠岐国立公園、国指定名勝及び天然記念物に指定される神秘的な場所です。
洞窟の中には旧社地を示す祠が祭られていて、神聖な場所を表しています。
この潜戸(洞窟)を潜る人は、必ず大声を出しながら潜らないといけないそうです。
なぜなら、ここに住まう佐太の大神?(神)がつむじ風を起こして船を横転させてしまうからだという言い伝えがあるからだそ
うです。
遊覧船の遊覧料金は1500円(大人)で50分ほどの時間を回るコースになっておりなかなかのボリュームです。
金の弓箭で作られた洞窟(神潜戸)を抜けたら、
「一つ積んでは父の為、二つ積んでは母の為で知られる賽のかわら(三途の川)」がある洞窟(旧潜戸)を回ります。
神話と自然が作り出した神秘的な加賀の潜戸(くげど)は「金の弓箭」がどれほどの威力かを思い知るでしょう。
「金の弓箭(くがねのゆみや)」にまつわる加賀の潜戸の伝説についてのお話です。
この加賀の潜戸(くげど)の由来をめぐって「佐太大神(猿田彦・さるたひこ)」が生まれる伝承が出雲国風土記(いずものく
にふどき)に記されています。
「佐太大神(猿田彦・さるたひこ)」の母は母神であり、水の神「キサガイヒメ」父は太陽神の「麻須羅神(マスラ神)」。
「佐太大神」が生まれる時に「キサガイヒメ」が海から流れてきた「金の弓箭」を洞窟に放ち、
東西北に穴を開けたと記されています。
この時海から流れてきた「金の弓箭」は「麻須羅神(マスラ神)」が弓に化けてキサガイヒメに求婚するという神話だと考えら
れている方もいます。
「金」は朝鮮で太陽の子を指し「佐太大神」は太陽の子であると推察できますが、実際は穀物の神、穀霊(こくれい)であると
考えられています。
なぜなら「佐太大神」の佐太とは神に供える稲を植える為の田を示す言葉と記述されている書跡があります。
物語の流れでは太陽の子ですが、
別の神話の「天照大神(アマテラス)」の伝承が皇室の太陽神であることで製作者が配慮をして穀物の神に変えたのではないか
と言われています。
その「金の弓箭」にまつわる加賀の潜戸(くげど)のお話しです。
「佐太大神」の母神であるキサガイヒメが加賀の潜戸(くげど)にて出産をする時に、
大切にしていた弓箭(きゅうせん)が無くなってしまいます。
キサガイヒメはその時誓いの言葉を告げます。
「私が生んだ子が麻須羅神(マスラ神)の子であるなら無くなった弓よでてこい。」
すると、海の中から角製の弓箭(きゅうせん)が流れてきました。
キサガイヒメはそれを拾い上げ、生まれてすぐの「佐太大神」に「これは無くした弓箭(きゅうせん)ではない!」と海に投げ
返してしまいます。
その後、海の中から再び弓箭(きゅうせん)が流れてきました。
それは太陽のごとき金の弓箭(くがねのきゅうせん)でありました。
それをキサガイヒメは拾い上げると「なんと暗い洞窟なのだ」と口にした後に、
洞窟を「金の弓箭(くがねのきゅうせん)」で射貫いた。
その威力は圧倒的で洞窟に穴を三つ開けるだけでなく、洞窟の先に続いていた的島すら貫通させたと言われています。
「金の弓箭(くがねのきゅうせん)」を射貫いたときに光輝いたことから、加賀という名がつけられました。
光り輝いたを意味するところは、太陽で洞窟の内部が光輝いたということを意味し、
「佐太大神(さた)」が「麻須羅神(マスラ神)」の子、太陽の子であることを表しています。
このエピソードを含む≪出雲国風土記(いずものくにふどき)≫は733年(天平5年)に出雲臣広島の監修、秋鹿都の人、神宅
臣金太理の手により誕生したとされています。
聖属性
アニメ Studio五組制作「結城友奈は勇者である」などで知られる
「勇者である シリーズ」「乃木若葉は勇者である」に登場します。
伊予島杏が使う武器が、「金弓箭」を宿したボウガン・クロスボウとして描かれており、
連弩と言われる連射力を強化したものに似ている。作中では非常に高い連射力を披露しています。
但し、神話のような威力は無く援護での活躍。数との勝負では敵なしで攻略には必須であると言われています。
このアニメは≪出雲国風土記≫を参考にしていると思われる箇所が多々あると考えています。
なぜなら、物語では「国引き神話」と重なる戦いの最後があります。
四国から外に出ない事と、勇者の力を放棄する事を条件に人間との講和をバーテックス
(天の神が人類を粛正するために遣わした存在)と結ぶところなど、
「金の弓箭(くがねのきゅうせん)」も性能などは現代のアレンジをされていますが作品のテーマには日本の神話をもとに作ら
れたことを感じさせるアニメです。
下記のようなドラマやアニメで使用されています。
ビデオゲーム 「三千界のアバター」にて「魔器/金弓箭」
武器の解説で加賀の潜戸を彷彿させる内容が書いていました。
「古の時代、海岸を撃ち抜いて洞窟を生み出したと伝えられている・・・」