プラセーンカンチャイシーという名前には「吉祥なる勝利の剣」と言う意味があり、
プラセーンカンチャイシーは王族の知恵を示す神器でもあります。
鞘に収めた姿は全体が金色で、表面には細かな装飾が彫られています。一見すると仏具のような印象を受ける剣でもあります。
刀身の部分は柄の部分から3分の1ほどに鞘と同様の装飾が彫り込まれており、
そこから先には両刃、諸刃の刃が備えられた直剣の形状を取っています。
プラセーンカンチャイシーは神器とされてから200年以上の時が立ちますが、
その刀身には曇りがなく、美しい刀剣です。
また、同じ神器でも日本の3種の神器は一般に公開されていませんが、
タイの5種の神器は一般に公開されている物品のようです。
前述したように、タイの5種の神器はチャクリー王朝がの初代国王であるラーマ一世が作るように命じたものなのですが、
このプラセーンカンチャイシーだけはラーマ一世の命によって作られたものではありません。
プラセーンカンチャイシーは1784年に当時はタイの領土であったカンボジアのシェムリアップ州に存在する湖の
「トンレサップ湖」と言う場所で漁を営んでいた漁師が、網を使って漁をしていたところ、
網に剣がかかっているのを見つけました。
その剣を当時のシェムリアップの国主だった「チャオプラヤー・アパイプーベート」という人物がラーマ一世に献上しました。
その剣こそが後に5種の神器が一つとなる「プラセーンカンチャイシー」なのです。
また、ラーマ一世はこの献上された剣を護身用の武器として扱っていました。
そのために後のタイ王国においては間違えなくこのプラセーンカンチャイシーは王の持つ武器として存在しています。
しかし、如何様な理由でこのプラセーンカンチャイシーがラーマ一世によって
神器として制定されたのかまではいまいちわかっていません。
プラセーンカンチャイシーがラーマ一世によって神器として制定されてからは
現在のタイ国王たるラーマ十世に至るまでタイ国王に継承され続けています。
このプラセーンカンチャイシーという刀剣は間違いなくタイ王国チャクリー王朝を治める
タイ国王の王権や力を示すための神器でありレガリアと呼べるものなのですが、
実はこのプラセーンカンチャイシーそれそのものに関してはタイ王国が公表している
プラセーンカンチャイシーの大きさや重量、その見た目の他には1784年にシェムリアップ州のトンレサップ湖と言う場所で
漁師が漁の網にかかっていた刀剣をシェムリアップ州の国主に渡し、それをラーマ一世に献上した結果、
プラセーンカンチャイシーと言うタイの5種の神器の内の一つに指定されたということくらいしかわからないのです。
また、このプラセーンカンチャイシーと言う刀剣は湖という金属が間違いなく錆びつくような環境で
見つかったにもかかわらず、プラセーンカンチャイシーを献上されたラーマ一世はこの剣を自らの身を守るための
護身用の武器として身につけ、実用していたというのです。
これらのことがすべて事実だとすれば、プラセーンカンチャイシーは水の中でも錆びたり、
朽ちたりしないということになります。
もしくはプラセーンカンチャイシーも日本の神器である天叢雲剣と同じように本物の他にその写しのようなものがあり、
それを普段は祀っていると言う考え方もできそうです。
このようにプラセーンカンチャイシーはタイの神器かつ王権を示す
レガリアであるにも関わらず非常に謎の多い武具だと言えます。
また、日本の神器とは違って普段から多くの人目につくような神器であるにも関わらずその実態がわからない、
その武器に伝わる「謂れ」のようなものが不明であるというのも不思議な点です。
このような不可思議な点はタイの5種の神器の中でもこのプラセーンカンチャイシーのみが持ちうる点です。
というのも、これ以外の神器はラーマ一世がその王権を示すために作らせたものだからです。
プラセーンカンチャイシーのみが湖から発見されたという特異な生い立ちをしているわけです。
聖属性
プラセーンカンチャイシーに関しては、タイの王権に関わる武具であるからなのか、
ゲームやアニメでの登場が調べた限りでは確認できませんでした。
しかしアクセサリーなどのモチーフにはされていることがあるようです。
登場ゲーム作品
不明