「フロッティ」とは
北欧神話に登場する剣で、「突き刺すもの」を意味します。
主な出典は「二―ベルゲンの歌(ファフニールの言葉)」「エッダ(古エッダ)」
「ヴォルスンガ・サガ(物語)」に登場します。
剣の名前は出たのですが、使われている描写、記述はなくどのような剣なのか不明です。
ファフニールが父を殺してでも奪う価値がある剣なので、隠された力を持っていたかもしれません。
またファフニールの莫大な量の金貨の中に置いてあった剣なので見た目も豪華な造りだったのかもしれません。
「フレイズマル」とは
北欧神話に登場するファフニールの父親。息子たちと神々に黄金の賠償を要求した後に、
欲を出したファフニールに殺されています。子は長男「ファフニール」次男「オッテル」三男「レギン」がいます。
「ファフニール」とは
北欧神話に登場する小人(ドワーフ)。物語では竜に変身して奪った財宝を守ります。
その名は山ほどの黄金を抱え込んだことから「抱擁するもの」を意味します。
「レギン」とは
北欧神話に登場する小人(ドワーフ)です。
「魔剣グラム」を鍛えて、ファフニールを倒すためにシグルズに渡したとされています。
「シグルズ(ジークフリート)」とは
北欧神話に登場する竜殺しの英雄として知られる戦士です。ファフニール殺しとも呼ばれています。
女を欺いたことがきっかけで最後は命を落とすという英雄らしからぬ最後を迎えます。
メロヴィング朝フランク王国のころの人物をモデルにしているとされており、
最も有力な候補としてシギベルト一世があげられます。
「フロッティ」は物語においては重要ではない剣なので登場する場面は僅かだが、
この剣にまつわるお話をご紹介いたします。
ロキ・オーディン・ヘーニルという三人の神は世界を知るために旅をしていました。
三人が川に差し掛かった時に、カワウソに化けていた次男のオッテルをロキが仕留めてしまいます。
それを知らずに狩ったカワウソをもって三人はフレイズマルがしている宿で体を休めようとします。
神々が持っているカワウソを見たフレイズマルは長男ファフニールと三男レギンに神々を捕らえろと指示を出します。
縛られた神々に向かって殺したカワウソ(オッテル)の皮いっぱいに黄金を要求します。
オーディンに黄金を持ってきてくれと頼まれたロキは黒い妖精の国にいる小人(ドワーフ)のアンドヴァリを捕らえて
彼が持つ財産をすべて奪いました。その財産の中に財宝を生み出すが所有するものの命を奪う指輪があり、
小人はロキにそのことを伝えたのですが、
ロキは「そいつはちょうどいい」と言ってフレイズマルの元に向かいます。
その後、賠償金とその指輪をロキはフレイズマルに渡しました。
受け取ったフレイズマルは財宝を独り占めにしようとします。
それに対して怒ったファフニールはフレイズマルを殺してしまいます。
早くも指輪の呪いが実現します。その後ファフニールも財宝を三男のレギンと分けずに独り占めしようとします。
このファフニールと三男レギンのやり取りに「フロッティ」は登場します。
レギンはファフニールに財宝を均等に分けて欲しいと要求します。
しかしファフニールは「お前の為に親父を殺したのではない。消え失せないと
父フレイズマルのようにしてしまうぞ」と言って、
ファフニールはフレイズマルがしていた「恐怖の兜」をとって頭にかぶり、「フロッティ」という
剣を帯びました。レギンはなんとか逃げ切り、ファフニールはグニタヘイズの山に洞窟を作り、
財宝を守るため竜の姿に変化します。
レギンは逃げ延びた後デンマークの王ヒャルプレク王の元で鍛冶師として働きます。
そこで出会ったシグルズ(ジークフリート)に過去にあった事を話し、
魔剣グラムを渡してファフニールの討伐をお願いします。
レギンはシグルズ(ジークフリート)にファフニールを倒させて、財宝を奪おうと考えていました。
シグルズ(ジークフリート)はレギンの父の敵を取りたいと思い
レギンのお願いを受けます。
その後シグルズ(ジークフリート)は竜に化けたファフニールを倒します。
闘いの際レギンは物陰に隠れ戦いが終わるまでじっとしていたそうです。
死に際にファフニールはシグルズ(ジークフリート)に自身が持つ指輪の呪いについて伝えますが、
それを聞き入れずに財宝を持って行ってしまいます。
レギンはシグルズ(ジークフリート)にファフニールの心臓を炙って食べさせてくれとお願いします。
シグルズ(ジークフリート)はその際に指をやけどしてしまい、指をなめた時に炙っていたドラゴンの血もなめてしまいます。
そしてドラゴンの血の力によって動物の言語を理解できるようになります。
鳥の鳴き声を聞き、レギンが自分を殺そうとしていることを
知ったシグルズ(ジークフリート)は眠っているレギンを殺して財宝を手に入れます。
その黄金の中には「恐怖の兜」と「フロッティ」があるので、最後の所有者はシグルズ(ジークフリート)とされています。
無属性
アニメでの登場は確認できませんでした。
ゲームでの登場はいくつか確認できましたのでご紹介させていただきます。
ゲーム「グランブルファンタジー」にてセルエルのキャラ解放武器として登場しています。
剣の解説には「騎士であれば知らないものはいない。武勲と栄誉の象徴。秘術によって磨き抜かれた輝きの剣である。
手にすれば、竜さえ物の数ではない」と書かれています。
「フロッティ」はやはり竜と何らかの関係があるとして紹介されることが多いです。
ゲーム「ファイナルファンタジー」にて片手剣、バスターソード類に属する剣「フロッティ」として登場しています。
竜のねぐらに出現するモンスターを倒すことでまれにドロップすることがあるそうです。
この剣は出典を「ファフニールの歌」とされており、
北欧神話の内容をくみ取った武器としてゲームに取り入れているのが分かります。
下記のようなドラマやアニメで使用されています。
カードゲーム「バディファイトX」にて偽王剣フロッティ・レプリカとして登場しており、
「突き刺すものフロッティの名を騙りし、機械仕掛けの突剣」と解説されています。
ゲーム「ドラガリアロスト」に短剣の武器種ですがフロッティの名前で登場しています。
属性は火で、見た目も赤く炎のようです。
ゲーム「ブレイブソード×ブレイブソウル」に武器ではなくキャラとして人格化されたフロッティが登場しています。
こちらの属性は水で、武器種は長剣として書かれています。必殺技は氷魔神の波動と名前が付いていますが、
水属性の魔剣の攻撃力を上げる技になっています。