黒御縵(クロミカヅラ)とは、
「古事記」に登場している国生みの男神として知られるイザナギが持つとされる冠(髪飾り)であります。
イザナミを迎えに黄泉の国へ行ったイザナギが黄泉醜女(よもつしこめ)に追われた際に使われた神具で、
投げ落とすと黒御縵(くろみかづら)は葡萄の実になって気を引くことで、
黄泉醜女(よもつしこめ)から逃れる事ができたとされています。
黒御縵(クロミカヅラ)は追手を巻くために使用された以外は記述がなく、葡萄の実に変わる事しかわかりません。
考えられる効果は変幻の術をかけてあり、イザナギが思った物に変幻して相手を惑わす事が出来る能力が考えられます。
黒御縵(くろみかづら)の後に櫛(くし)を投げると筍(たけのこ)が生えてきたそうなので、
もしかするとイザナギ自身の能力なのかもしれません。
イザナギの髪飾り
葡萄の実
詳しい作り方は不明です。
素材は蔦(ツタ)、蔓(つる)等の草を巻いた冠だと記されてます。
投げて使うと冠(髪飾り)は葡萄の実に変わります。
黒御縵(クロミカヅラ)とは、
「古事記」に登場している国生みの男神として知られるイザナギが持つとされる冠(髪飾り)であります。
イザナミを迎えに黄泉の国へ行ったイザナギが黄泉醜女(よもつしこめ)に追われた際に使われた神具で、
投げ落とすと黒御縵(くろみかづら)は葡萄の実になって気を引くことで、
黄泉醜女(よもつしこめ)から逃れる事ができたとされています。
イザナギが投げた物はもう一つあります。イザナギの頭に刺さっていた櫛であります。
これを投げ落とすと筍か(たけのこ)が生えて来ます。
イザナギとは、天地開闢で神代七代の最後にイザナミとともに生まれた男神であります。
海に漂っていた脂のような国土を天沼矛にて掻き回して出来たオノコロ島にてイザナミと結ばれたとされております。
その後イザナミから国や万物の神々が生まれたが、火の神である迦具土神を生んだ後にイザナミは死んでしまいます。
黒御縵(くろみかづら)が出るのはその後イザナミを迎えに黄泉の国へ行ったお話であります。
このお話は呪的逃走と呼ばれる昔話のモチーフであります。
黄泉醜女(よもつしこめ)とは、日本神話にて登場する黄泉の鬼女であります。
とても恐ろしい顔をしており、一飛びで1000里(約4000km)を走る足を持ちます。
しかし食い物に目が無く、イザナギの投げて出来た山葡萄や筍(たけのこ)にすぐに食らいついてしまい、
イザナギを逃がしてしまう知能の低さを見せています。
イザナミとは、イザナギともに生まれた後に夫婦となり、国や神を生んだ神であります。
火の神迦具土神を生んだ際に、陰部に火傷を負い病にかかって死んでしまいます。
死後は黄泉の国にいますが、イザナギが自分に会いに黄泉の国までやってきてしまい、
腐敗した姿を見られ激怒します。このことがきっかけで呪的逃走の神話につながっていきます。
イザナギが黄泉醜女から逃れるために使用した黒御縵(クロミカヅラ)にまつわるお話です。
ある時、イザナギ(男神)とイザナミ(女神)と呼ばれる夫婦の神様がいました。
この二人が日本の国土を形作るたくさんの子を産みます。さらにイザナミは森羅万象の神々も次々と生んでいきます。
火の神である迦具土神(カグツチ)を生んだ際にイザナミはやけどを負い、死んでしまいます。
イザナミの死を大変悲しんだイザナギは火の神である迦具土神を殺し、イザナミに会いに黄泉の国へ向かいます。
暗く見えづらい黄泉の国でイザナミを探していると姿の見えないイザナミがこう言います。
「黄泉の国の神様にあなたの元に帰れるかを相談してきます。その間は私の姿を見てはいけません」
イザナギはそれを受けて待ちますが、イザナミに会いたい気持ちが強くなりすぎて明かりを灯してしまいます。
すると目の前に腐敗してしまったイザナミの姿を見てしまいます。これに怒りを抑えきれなかったイザナミは、
黄泉の国に存在する恐ろしい顔をした鬼女である黄泉醜女(よもつしこめ)達にイザナギを追わせます。
一歩がとても早く、長い黄泉醜女はイザナギに追いつきそうになります。
そこでイザナギは黄泉醜女達にむけて黒御縵(クロミカヅラ)という蔓(つる)で作られた冠を投げつけます。
すると黒御縵はたちまち葡萄の実に変わって黄泉醜女達は食べ始めてしまいます。
その隙を狙いイザナギは黄泉醜女達から逃げます。しかし黄泉醜女達は早いので、イザナギにすぐに追いついてきます。
今度は頭に刺しこんでいた櫛(くし)を折り投げます。すると折れてばらばらになった櫛(くし)は
筍(たけのこ)に変わりニョキニョキと地面から生えてきました。
黄泉醜女達が筍(たけのこ)を食べ始めた隙に逃げたイザナギは無事に黄泉醜女達から逃れることが出来ました。
その後、イザナミは怒りを抑えることが出来ずにイザナギと離縁してしまいます。
生と死は表裏一体ですが、決して交わることは無いという意味も含まれた物語であります。
聖属性
アニメでの黒御縵(クロミカヅラ)の活躍を確認出来ませんでした。
ゲーム
「パズドラ」にて登場する皇祖の神・イザナギが付けている冠(髪飾り)が黒御縵(くろみかづら)だと考えられます。
蔦(ツタ)や蔓(ツル)の見た目では登場していませんでした。
「モンスト」にて登場するイザナギも頭に角のような冠を着けています。
見た目は神というよりは悪魔のような描かれ方をしています。